スマホのウイルス感染は、他人ごとではありません。
スマホをパソコン替わりに利用することが増えたことで、スマホを狙ったウイルス感染が増えています。そのため、パソコンだけでなくスマホも、しっかりウイルス対策をする必要があります。
この記事では、スマホにウイルス対策が必要な理由や対策方法、おすすめのセキュリティアプリを紹介します。
スマホにウイルス対策が必要な理由
スマホもパソコンと同じように、セキュリティ対策をすべき理由は以下のとおりです。
スマホは「ネット端末」であること
昔使っていた「携帯電話(ガラケー)」と「スマートフォン」を、同じように考えてはいけません。
スマホは、携帯電話というよりもパソコンに近い「ネット端末」です。パソコンサイトや様々な動画を閲覧でき、さらにアプリを自由にインストールしてカスタマイズもできます。そのため、それだけインターネットを介してウイルスに感染するリスクが高いです。
また、ケーブルでパソコンに直接接続することもできるので、パソコンから感染するリスクもあります。
スマホが攻撃対象のウイルスが増えていること
このようにモバイル端末を狙ったウイルスは毎年増えていて、最新データの2015年第4四半期には、その数が1千2百万以上に達し、じつに2014年第1四半期の3倍となっています。
スマホに重要なデータが入っているケースが多いこと
最近は「パソコンよりもスマホのほうに重要なデータが入っている」ケースが増えています。
仕事でスマホを使っている場合や、会社で支給されたスマホは特に注意です。
業務のデータや仕事関係の連絡先、株や取引の内容、LINEのトークなどが流出するとダメージの大きい情報がたくさん入っています。
スマホのウイルス対策
スマホでやっておくべきウイルス対策について説明します。
セキュリティソフトを入れる
セキュリティソフトは、やはり入れておくべきです。ソフトのメーカーはノートンやウイルスバスター、携帯のキャリアが行っているセキュリティサービスなど、かならず信頼性のあるソフトにします。
しっかり対策する場合は、やはり機能が充実している有料のものがおすすめです。有料版なら、もしものときのサポートも受けやすいです。
スマホにセキュリティソフトを入れると動作が遅くならないのかときにする方がおられます。最近はデバイスの処理能力が高くなっているので、支障がでるほど遅くなることはないでしょう。
トレンドマイクロの製品では、ウイルスを見つけるためのパターンファイルの多くをスマホではなくクラウド上に保存し、容量と動作を軽くするようにされています。
ただし、偽ウイルス対策アプリに注意が必要です。無料などのウイルス対策アプリの中には、詐欺やそれ自体にウイルスが入っている悪質なものもあります。不正アプリでも無料のため、評価が高くなっている場合もあるので注意してください。
スマホにロックをかける、パスワードを厳重に管理する
ロックは指紋認証などではなく、複雑な8文字以上の英数字を設定します。パスワードやIDは、メモ帳やメールに残さないようにします。
パスワードやログイン情報の記憶にも気をつけてください。重要なサービスは、自動ログインをオフにします。
アプリのダウンロードは慎重に!
アプリを入手するときは、かならず提供元を確認してからにします。ただ、実在するアプリの便利機能などをよそおった不正アプリもあります。アプリの入手は、やはり慎重におこないます。
特に、Android向けアプリはGoogle Playをはじめ様々なサイトから入手できますが、中には審査なしに配布できるサイトもあります。
さらに公式外のサイトからのダウンロードはもちろん、Google Playなどの公式ストアでも油断はできません。攻撃者は削除されることを前提に、Google Playで不正アプリを登録することがあります。Androidの自由度の高さが、攻撃者に悪用されている現状があります。
怪しいサイトにはアクセスしない
アダルトサイトやメールに貼ってあるリンク、SNSでシェアされているサイトには偽サイトに注意することが必要です。
これらのサイトは見た目が本物のサイトそっくりに作られています。安易にIDやパスワードを入六してログインすると、個人情報を盗まれてしまいます。
特定の広告を使っているサイトにアクセスすると、ウイルスの入ったファイルを勝手にダウンロードされる場合もあります。ファイル名の末尾が「~.apk」など、身に覚えがないものがダウンロードされそうになったら、すぐにキャンセルしてください。
またスマホの場合、誤って指でタップしてしまう可能性もあります。ワンクリック詐欺の広告など誤って押さないように気をつけてください。
動画再生アプリやファイルなどをすぐにダウンロードしない
おもしろそうなファイルや便利ツールをよそおい、ウイルスをダウンロードさせようとする攻撃はスマホにも存在します。パソコンと同様に注意してください。
動画が再生できないからといって、公式ストア以外から動画プレイヤーなどをインストールしないようにします。
個人情報をかんたんに入力しない
とつぜん「確認のため、パスワードと個人情報を入力してください」「罰金を払ってください」などの画面があらわれても、入力しないでください。身代金ウイルス(ランサムウェア)の可能性があります。
会員サイトなどにアドレスを登録するときなどは、捨てアドなどとよばれるフリーのメールアドレス(ヤフーやグーグルなどのフリーメール)を使うことがおすすめです。
重要なデータは保存しない
外出先で持ち歩くことの多いスマホには、外部に漏れると困るような重要データは保存しないようにします。
よくわからないWi-Fiに接続しない
街にWi-Fi(公衆無線LAN)スポットが増えていますが、中には悪質なものもあります。安易に接続すると、個人情報を盗まれる危険や通信内容が筒抜けになる場合があります。
スマホを改造しない
本体端末についている制限を外すなどの改造をすると、セキュリティが不十分になってしまうことがあります。
他人にスマホを貸さない
紛失や重要な情報の盗難につながることがあります。信頼できる相手だとしても、パスワードを教えたりしないようにしてください。
スマホにウイルス対策アプリは不要?
2011年、Googleのオープンソースプログラムマネージャーを務めていた、Chris DiBona氏がGoogle+上でAndroidやiOS、BlackBerry OSにウイルス対策アプリは必要だと発言した。
さらに
「セキュリティソフトのメーカーはユーザーの不安を煽り、意味のないセキュリティアプリをAndroidユーザーに売りつけるペテン師、あるいは詐欺師だ」
と強烈に批判しています。
この発言の裏には、そのようなアプリを入れなくても大丈夫と言いたかったのかもしれません。
しかし、この発言によって大手セキュリティ企業を敵に回すことになったようです。
ただ、スマホにも脆弱性が存在する可能性はあります。もしものことを考えればウイルス対策アプリは必要でしょう。
【有料版】おすすめスマホのセキュリティアプリ
ノートン(シマンテック社)
シマンテックストア
https://www.nortonstore.jp/
ウイルスバスター(トレンドマイクロ)
ウイルスバスター公式トレンドマイクロ・オンラインショップ
http://safe.trendmicro.jp/purchase/vb.aspx
ESETセキュリティソフト(ESET)
ESETセキュリティソフト
http://www.eset-smart-security.jp/
ウイルスを感染させる目的とは
個人情報を盗む
電話番号やメールアドレス、パスワード、現在地情報、写真や動画などのプライバシー情報は業者に売ればお金にすることができるので、攻撃者がターゲットにしています。
クレジットカードや暗証番号などのデータを盗まれると、お金の絡む被害を受けることもあります。パスワードが流出すると、SNSなどの乗っ取りにもつながります。
盗聴、盗撮
カメラやマイクを勝手に起動させ、通話内容を盗聴されるなどのプライベートを侵害されることもあります。
遠隔操作
有料サービスへ勝手に登録されたり、特定の電話番号へ勝手につながれ、高額の料金を請求されたりすることもあります。
また、脅迫メール送信など犯罪の踏み台にされることもあります。踏み台にされたせいで誤認逮捕された事件も起きています。
金銭・脅迫目的(ランサムウェア)
本体を操作できないようにさせるウイルスです。スマホが人質にされロック解除と引き換えに、お金を要求されることもあります。
スマホからクレジットカードやパスワードなどの重要な情報を抜かれてしまうと、金銭的な被害を受ける恐れもあります。
そうなると被害届を出したり、カードを止めたりすることに大きな手間がかかってしまいます。犯人を見つけられるかどうかもわかりません。
日ごろからしっかり対策をして、セキュリティの意識を高めておくことが大切です。
いたずら、自己アピール目的
ただ人を驚かせたかったり、自分の作ったウイルスがどのくらい効果があるのか試したかったり、自分の存在をアピールし自己顕示欲を満たそうとする目的で、ウイルスをばらまく場合もあります。
今ウイルスやマルウェアは、知識がなくてもツールを使えば誰でも作れてしまうのです。
ウイルスや詐欺と感じたら
請求画面や脅迫文が表示されたときは、反応せず、無視してください。クリックはせず、×ボタンなどで閉じられれば閉じます。
それでも不安なときは、専門機関に報告してください。専門機関はウイルスや詐欺の情報を持っていますので適格なアドバイスをもらえるでしょう。
まとめ
今はスマホが狙われる時代です。下記3つのことを常に意識してください。
- 無料でもいいのでウイルス対策ソフトを入れる
- 業務で使うスマホはセキュリティが必要
- アプリのインストールは慎重に!
「パソコンのセキュリティだけでもめんどうなのに、スマホまで対策しないといけないなんて。」このように感じるかもしれません。しかしスマホを狙う攻撃は、毎年増えています。
ITは進化して便利になればなるほど、リスクも増えるものです。身の回りの色々なものがインターネットとつながってきている今、そのスキマを突いて、犯罪行為で私利私欲を満たそうとする攻撃者がいなくなることはありません。
やはり被害を防ぐには、対策をするしかありません。