「ウイルスを検出しました」は嘘?表示されたときの対処法

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パソコンやスマートフォンを利用していて「ウイルスを検知しました!いますぐ除去してください」などの警告が表示されたことはありませんか?

これは本当にセキュリティソフトがウイルスを検出した場合と、そうではない場合もあります。それぞれの対処法について紹介します。

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ウイルス検出の表示は信じてはいけない!

パソコンやスマホを使っていて「ウイルスを検出しました」などの表示が出たとき、利用しているセキュリティソフトによるものであれば、指示に従ってそのまま駆除をすれば解決します。

しかし、セキュリティソフトを利用していない、もしくは利用しているソフトと違う表示が出たら、それは嘘の表示です。下手に「OK」などを押さないようにしてください。

以下のサイトでは、ウイルス検出表示が本物かどうか、セルフチェックすることができます。

嘘の「ウイルス検出」表示の正体は?

「ウイルスを検出しました」の偽警告で不安をあおり、電話をさせてサポート契約やソフトウェア購入、アプリインストールに誘導する詐欺です。

この詐欺は海外で2012年頃から登場しはじめ「Tech Support Scam」(テクサポ詐欺、サポート詐欺)と呼ばれるようになり、日本では2015年頃から出現が報告されています。

「ウイルス検出の偽警告」に関する相談が1年で15倍に

IPA公表の2016年四半期「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」によると、2016年10月~12月の相談件数は3795件。

そのうち「ウイルス検出の偽警告」についての相談が833件、この相談がはじめてあった前年同期57件から1年で約15倍に増加しています。この相談件数はワンクリック詐欺に迫るほどで、注意が必要です。

嘘のウイルス検出表示の特徴は?

嘘のウイルス検出表示は大体、ソフトの名前が書かれていない、もしくは「Windows」「Apple」「Google Chrome」などのロゴが書かれています。このほか、つぎのような特徴があります。

警告文の例

嘘のウイルス検出表示は、つぎのような警告文が出るケースが多いです。

「警告、あなたのコンピュータでウイルスが検出されました。(中略)提供された電話番号に連絡していただけるまでは、インターネットの使用、ウェブサイトにログインすることやオンライン上での商品の購入はなさらないでください。」

「あなたが前回訪問したウエブサイトが、あなたのデバイスをウイルス感染させました。修復プロセスを開始するにはOKを押してください。」

「お使いのスマホが(4)個のウイルスを検出した可能性があります」

[box class=”blue_box” title=”その他の症状”]

  • 「ビーッ」などの警告音がする
  • 「残り○分○秒」などカウントダウンがはじまる
  • バイブレーションが鳴り、スマホが振動する

[/box]

どんなサイトにアクセスすると表示される?

違法な無料動画サイトやアダルトサイトなどで特に表示されることが多いようです。しかし、ときに通常のサイトから自動遷移(リダイレクト)されて表示されることもあります。

また、最近はSNSの投稿やYouTubeの広告にこのようなサイトのリンクが張られていたこともあり、あやしいサイトを閲覧していなくても表示されることが増えています。

ウイルス検出の表示が出たときの対処法

偽のウイルス検出表示が出てしまったときは、表示の指示に従わないようにして、以下のように対処してください。

パソコンの場合

ウイルス検出の表示が出たら、クリックせずブラウザ(タブ)ごと閉じてしまえば、とくに問題はないでしょう。ただ、閉じられないときはつぎのように操作してください。

タスクマネージャから終了させる

「Control + Alt + Delete」または「Control + Shift + Escape」でタスクマネージャを起動し、警告を表示しているブラウザを選択、「タスクの終了」をクリックします。

パソコンを再起動する

Windowsボタンを押して再起動、もしくは終了してください。

このあと、念のためセキュリティソフトでウイルススキャンをしておくとより安心です。その際は、ノートンやウイルスバスターなど名の知れた有名なソフトを使うとよいでしょう。

スマートフォンの場合

スマホの場合も、パソコンと同様にブラウザを終了するかタブを閉じてしまえばよいでしょう。それでも消せないときは再起動してキャッシュを削除してください。

そのうえで、不安であればセキュリティアプリを使ってスキャンしておくとよいでしょう。キャッシュの削除に関しては以下の記事を参考にしてください。

[kanren postid=”3284,3336″ date=”none” target=”on”]

電話をかけた・ソフトをインストールしてしまった場合は?

指示どおりにサポートセンターに電話をかけたり、ソフトをインストールしてしまったりした場合は、つぎのように対処してください。

電話したら遠隔操作をされた

電話をかけると、正規の遠隔操作ソフト/リモートデスクトップツール(「AnyDesk」や「TeamViewer」)をインストールするよう誘導されます。

インストールすると調査と称してコマンドなどを実行され、ウイルス感染があると言われて最終的にサポート契約などをすすめられます。

このような遠隔操作ツールは、操作される側のIPアドレスや遠隔操作ソフトのID・パスワードなどを知っている必要があります。そのため、知らないうちに遠隔操作されることはありません。

遠隔操作ツールを入れてしまった場合は、アンインストールしておくと安心です。また、念のため正規のセキュリティ対策ソフトでウイルスチェックをしたほうがよいでしょう。

電話でサポート契約をしてしまった

サポート契約をしてしまい、解約したい場合は近くの全国の消費生活センターへの相談をおすすめします。

怪しいソフトをインストールしてしまった

不審なソフトはどのような動作をするか分かりません。アンインストールしましょう。ソフト名がわからなくても、インストールした日で検索することで、ソフトを特定できることがあります。

まとめ

このような嘘のウイルス警告は、カウントダウンをしたり、「データが破損する」といった不安を煽る文言を表示したりして、金銭をだまし取ろうとします。

急に表示されたら驚いてしまうかもしれませんが、まずは一度冷静になって本物か確認し、嘘の表示であればすぐ消してしまうようにしましょう。