iPhoneは「ウイルスに感染しない」、それはもう過去の話です。iOSをターゲットにしたウイルスや、端末内に保存されている個人情報を盗み取る、悪質なアプリも登場してきています。
もしiPhoneのウイルス感染を疑っている場合は、チェックしましょう。
この記事では、iPhoneがウイルスに感染しているかチェックする方法と対策を解説します。
iPhoneはウイルス感染する?
iPhoneはAndroidと比較して、ウイルス感染しにくいといわれます。そのため、iPhoneユーザーの方でセキュリティ対策をしているという方はあまり多くないのではないでしょうか。
iPhoneはウイルス感染しにくいスマホ
iPhoneがウイルス感染しにくいといわれる理由は、つぎのとおりです。
- App Storeの厳しい審査を通過したアプリしかインストールできない
- ウイルスを無効化する機能がある
このためiOS向けセキュリティ対策アプリもあまり販売されておらず、多くのiPhoneユーザーはとくになにも対策をしていないのが現状です。
スマホがウイルスに感染してるかチェックする方法
スマホがウイルスに感染してるかチェックするには、やはりウイルス対策ソフトを使うのが一番です。
スマホのウイルススキャンでは、ウイルス感染しているものがあると検出され、駆除できます。※ただし、検出できない新種のウイルスもあるので、100%安心はできません。
メーカーは、信頼性のある大手セキュリティソフトメーカーのものを利用するのが良いでしょう。
iPhoneのウイルス感染経路は?
ウイルス感染しにくいといわれるiPhoneですが、これまでの事例から判明している感染経路について見ていきましょう。脱獄していなければ感染リスクは低いですが、念のため注意したい部分です。
悪質なアプリをインストールしてしまう
2015年9月、中国の公式App StoreにXcodeGhost(OSX.Codgost)というウイルスが混入した「正規アプリ」が見つかりました。Appleの審査は厳しいですが、それをかいくぐってしまったようです。
この原因は、非正規の開発環境を使用したことだったようですが、App Storeのアプリは安心だと思っていた人々に衝撃を与える出来事でした。
ウイルス感染したパソコンから伝染
2014年11月に発見されたWirelurker(OSX.Wirelurker / Trojan.Wirelurker)というトロイの木馬は、Windows・Macのパソコンを介して感染する新型ウイルスでした。このウイルスに感染したパソコンへiPhoneを接続してしまうと、ウイルス感染したアプリに置き換えられてしまいます。
感染したアプリを実行すると、iPhoneに記録されたシリアル番号・電話番号や連絡先などの個人情報を盗み取られる可能性があるのです。この動作は目立たないものなので、感染に気づかないケースが多いとされています。
ウイルス感染していると見せかけるケースも
インターネットを見ているとき、「ウイルスを検出しました!今すぐスキャンしてください」とか「ウイルスに感染した可能性があります」などとポップアップが表示されることがあります。
しかし、このような表示は多くの場合がウソです。不安を煽って不正なサイトや、アプリのインストールページに誘導するのが目的なので、無視して構いません。詳しくは以下の記事で解説しています。
iPhoneがウイルス感染したらどうなる?
iPhoneのセキュリティ対策をしていなかったことで、ウイルス感染しているかわからない・・・そんなときにこんな症状が出たら感染を疑いましょう。
操作していないのに勝手に動く
なにも触っていないのに、勝手に電源がオン・オフする、アプリが起動する・・・といった動作は、故障かウイルス感染のどちらかになるでしょう。動作がおかしいときは、まずiPhone修理ショップに持って行くことをおすすめします。
iPhoneの動作が重くなる
ウイルスがインストールされ、バックグラウンド活動すると当然動作が重くなってしまいます。それに伴い、電池の減りも早くなるでしょう。
ただし、アプリを複数起動していて重い場合もありえるので、一概に「重い=ウイルス感染している」とはいえません。iPhoneが重いと思ったときはまず、バックグラウンドで実行中のアプリを消してみてください。
対処法については下記記事をご覧ください。
頻繁にポップアップが表示される
パソコンのウイルスと同様に、何度もポップアップが表示されたら、単なるアドウェアかウイルス感染のどちらかでしょう。
「ウイルス感染していると見せかけるケース」の場合が多いので、ポップアップが出たらホームボタンを2連打してSafariの画面を上にスワイプし、強制終了しましょう。
これで再起動してもまだ表示されるようなら、以下の方法を試してください。
iPhoneのウイルス感染が疑わしいときの対処法
iPhoneのウイルス感染が疑わしいとき、対処する方法をご紹介します。ポップアップの表示が止まらないときは、前項の方法をためしてみてください。
セキュリティアプリをインストール
iOSでのウイルス感染事例が発見されてから、iPhone用のセキュリティ対策ソフトが登場しました。心配という方は、これらを活用してみてもよいのではないでしょうか。
端末を初期化する
セキュリティアプリで駆除しても症状が改善しない場合、初期化が必要な可能性があります。なお、バックアップするとウイルスのデータも引き継がれるので、データごと削除しなくてはなりません。
最悪の場合は買い替えも
セキュリティアプリを使っても、初期化しても不審な症状が改善しなかったときは、未知のウイルスか故障の可能性が考えられます。買い替えを検討するのもよいかもしれません。
iPhoneのウイルス感染を防ぐ対策方法
ウイルス感染しにくいiPhoneですが、なにも対策しなくてよいというわけではありません。次の対策をおこなって、より感染しにくい状態にしましょう。
iOS最新版にアップデートする
iOSは定期的に最新バージョンが公開されます。起動時に「お使いのiPhoneでiOS◯を利用できるようになりました。」という表示を見たことがある方もいらっしゃるでしょう。
この更新には新機能の追加のほか、脆弱性(セキュリティの弱点)修正が含まれます。古いバージョンを使い続けると弱点を放置することになるので、できればアップデートしましょう。
脱獄はしないようにする
前述のように脱獄はウイルス感染のリスクが高くなります。これまでウイルス感染した事例の多くは、脱獄したiPhoneでした。自由度で魅力を感じても、セキュリティ面で危険なので、避けるべきです。
セキュリティ対策アプリを利用する
セキュリティアプリを入れておくと、ウイルス感染した際にわかりますし、駆除もできます。事前に入れておくと安心です。
ロックを設定しておく
スマホはできるだけ肌身離さず持っていたほうがよいですが、席を離れたときや紛失・盗難時にウイルスや遠隔操作アプリを仕込まれる可能性もゼロではありません。
念のためロックしておくと安心です。
iPhoneはウイルス以外の危険もある!
iPhoneのセキュリティ脅威は、ウイルスだけではありません。設定に問題があったり、特定のアプリが入れられたりすると、遠隔操作されるなどの危険があります。
イヤホンで遠隔操作される!?
フランスの研究者が「無線送信機を使用すると、Google NowやSiriで遠隔操作できる」と発表しています。
研究者の説明によれば、iPhoneに接続されたイヤホンが送信機の発した電波を受信する役割を果たしているとのこと。この電波をユーザーからの命令と見なしてしまい、離れた位置からでも遠隔操作できてしまうのです。
実際、この攻撃がおこなわれるかは分かりません。しかし、「Siriの機能をオフにする」か「使用しないときはイヤホンを外す」ことで対策できるので、仕事などで使用する電話であれば、対処しておくとよいでしょう。
Wi-Fi自動接続で遠隔操作される!?
Wi-Fiを自動接続する設定にしていると、悪意ある第三者が用意したセキュリティの甘いWi-Fiに接続され、ハッキングされる可能性があります。
プロが実演したところ1分半で侵入に成功、個人情報まで抜くことができました。Wi-Fiは接続するときだけONにするのがおすすめです。
遠隔操作アプリも存在する!
上記の方法を使わなくても、あるアプリを入れればiPhoneを遠隔操作できます。インストールするには脱獄する必要がありますが、iPhoneの置き忘れや紛失時に入れられてしまう可能性があります。
この遠隔操作アプリには「不可視化」機能があり、入っているかどうか目視で確認できません。さらに、一度入れられてしまうとカンタンには削除できない仕様です。
こんな症状はウイルスの心配なし!
iPhoneの挙動がおかしいとか、見慣れない表示が出たとき「ウイルス感染した!?」と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、つぎの症状はウイルスではないことが多いのでご安心ください。
勝手にカメラのシャッター音が鳴る
サイトを見ていてシャッター音が鳴り、「あなたの顔を撮影しました」などの表示とともに、金銭を請求する詐欺もあります。しかし、これは単に音だけでカメラは作動していませんし、撮影もされていません。
最近の悪質なワンクリック詐欺の手口のひとつなので、無視して大丈夫です。
メールの文字化け
これは、単純にメールソフトのエラーの場合が多いです。ウイルス感染して文字化けすることはないのでご安心ください。
また英文だけのメールが来た場合、単純にメールの送信失敗を伝えるものか迷惑メールなので、無視して構いません。
タッチパネルが反応しない
故障や水没によってパネルが反応しなくなることがあります。ウイルス感染でタッチパネルが動かなくなる事例は報告されていないので、修理店で見てもらったほうがよいでしょう。
あやしい添付ファイルを開いてしまった
差出人に心当たりがないメールだったのに、ついクセで開いてしまった・・・ということもあるでしょう。しかし、iPhoneは脱獄していなければメールでのウイルス感染はほとんどないと思われます。
不安なようなら、念のためセキュリティアプリでスキャンしてみて、あとはメールを削除して放っておけば問題ないでしょう。
オススメのセキュリティソフト3選
ウイルスバスター クラウド
Norton(ノートン)
ESET(イーセット)
まとめ
現時点で、脱獄していないiPhoneがサイトの閲覧・メールの添付ファイルを開いて感染という事例は報告がありません。
しかし、攻撃者はつねに「どこをどう攻撃するか」考えて、脆弱性を探ったりウイルス・ツールを開発したりします。