インターネットの速度が遅い原因は様々ですが、注意すべきは「ウイルス感染」の可能性です。
ネットが重い原因と対策方法、実際にウイルス感染した事例を紹介します。
インターネットが遅くなる9つの原因
ウイルスに感染している
ウイルスに感染すると、ウイルスが内部で大量のデータを送信し、回線を圧迫するのでネット速度が遅くなることがあります。パソコン自体の動きが重くなることもあります。
対処方法
◆セキュリティソフトでフルスキャンをする
ウイルスチェックやスパイウェア・マルウェアの駆除で、速度が改善することもあります。スキャンは1ヶ月に1回かならずおこなってください。
◆セキュリティ診断を受ける
感染を防ぐため、企業は専門業者による「セキュリティ診断」を受けることも重要です。ネットワークなどの問題解決やアドバイスも受けられます。
セキュリティソフトの影響
セキュリティソフトによっては、設定やパソコンとの相性によりチェック処理などに時間がかかり、ネット(ブラウザ)が遅くなることがあります。
セキュリティソフトを複数入れていると、競合してしまい動きが遅くなることも。
対処方法
◆セキュリティソフトの設定を見直す、いちど停止してみる
その後症状が改善されれば、速度の遅さはセキュリティソフトが原因の可能性が高いです。また更新していないと速度低下につながる場合もあるので、セキュリティソフトは常に最新状態にします。
◆セキュリティソフトは信頼できるものを1つだけ使う
セキュリティソフト(ウイルス対策ソフト)の導入は、最低限のセキュリティ対策としてかならず必要です!セキュリティソフトを入れていないパソコンは、ウイルス感染の危険が非常に高いです。
もし入れたソフトが合わなくても、他のソフトに変える、パソコンのメモリ増設をするなどして、かならず導入してください。
ネット回線に問題が起きている
回線の混雑(特にマンション内や利用地域の夜間アクセス集中)や不具合など、光、ADLS、LTE、Wimax、CATVといったインターネット回線に問題が起きている可能性があります。
高速プランを契約していても、トラブル時は遅くなることがあります。
対処方法
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- 契約している回線会社のサイトなどで、障害情報をチェックする
- 契約会社に問合せる
- 契約プランを確認する
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機器の不調、故障
ルーターやLANカード(無線LANを受け取るためパソコンにつける機器)などに不具合があると、通信に影響する場合があります。
無線LANなどの機器本体についているLEDランプが点滅していると、故障の可能性がある製品もあります。
また、回線機器へ影響を与える可能性のある環境があります。
回線機器へ影響を与える可能性のある環境
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- 適切なLANケーブルやLANポートではない(高速通信に対応していない)
- 親機の無線LANルーターやコードレス電話、ドアホン、ガス検知器、電子レンジなど、他の機械による障害
- LANケーブルを接続するモジュラージャックが複数置かれ、電話機器を複数接続している
- モジュラージャックから、VDSL装置(集合住宅の配線装置)やADSLモデムまで距離が遠い
- 機器のコンセントがタコ足配線になっている
- 周辺機器(ブロードバンドルーター、ハブなど)の容量不足
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LANポートが100Mbpsまでしか対応していない、実効速度がネット回線より遅いなどの可能性があるので、機器を通さず直接接続し、改善されるか確認してください。
無線LANの場合
無線LANルーターの設置場所や利用方法によって、速度低下につながることがあります。パソコンをLANケーブルで直接接続し、改善されるか確認してください。
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- 転送速度が遅い機器を使っている
- 無線LANのセキュリティ機能処理に時間がかかっている
- パソコンを複数台接続している
- 無線LANアクセスポイントとパソコンの距離が遠い、間に障害物がある
- 公衆無線LANの場合、チャンネルが混雑している
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ADSL回線の場合
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- ISDN回線も設置している
- NTTから自宅までの距離が遠い
- 近くに強い電磁波を起こす施設(変電所や線路)がある
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対処方法
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- 各機器にケーブルやコンセントがしっかり刺さっているかチェック
- コンセントやケーブルを抜き差ししてみる
- ルーターやモデム、パソコンの電源を入れなおす
- 故障について説明書を確認し、メーカーへ問合せる
- 機器の接続環境を確認、場合により変更してみる
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Webサイトに問題がある
閲覧しているサイトにアクセスが集中し混雑している場合、もともと表示速度が遅いサイトなどの場合は、そのWebサイト自体に原因があります。
対処方法
他のサイトにアクセスしても同じ現象が起きるかどうか、チェックする
ブラウザ、アドオンの影響
Internet Explorer、Google Chrome、Firefoxなどのブラウザでツールバーやプラグインをたくさんインストールしている、ブラウザのバージョンが最新でないなどの場合、動きが遅くなることがあります。
対処方法
- キャッシュと履歴を削除してみる
キャッシュとは、アクセス頻度の高いサイト情報などを一時保管することです。履歴とは、今までアクセスしたサイトの情報です。これらを消すと、動きが軽くなることがあります。
- ブラウザを最新状態に更新する
- 他のブラウザでも遅いかどうか試してみる
パソコンの容量不足、処理能力の低下
サイトやソフトウェア・アプリケーション、ファイルをたくさん開いている、多数のソフトをインストールしている、パソコン自体が古い(5年以上前のPC)などの場合、メモリ不足で速度低下に陥ることがあります。
対処方法
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- 起動しているソフトをすべて終了してからブラウザを開いてみる
- 使わないソフトはアンインストールする
- ディスクのクリーンアップをする
- メモリ容量、CPUの確認
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パソコンの不具合
パソコン本体の故障によってCPU使用率が常に多くなり、重くなってしまうこともあります。ファンの故障では本体が熱くなったり、ファンの音がうるさくなったりします。
対処方法
ネットワーク機器の電源を入れ直すなどしても改善しない場合は、ウイルスやスパイウェアの感染を疑ってみてください。
使用しているソフトの影響
◆ファイル共有ソフト(Winny、Shareなど)
ファイル共有ソフトは多くのデータを送受信するので、回線を圧迫することがあります。何度も警告されていることですが、ファイル共有ソフトは情報流出の危険も高いので、使わないほうがよいでしょう。
◆速度向上ソフト
回線に合っていない速度向上ソフトを使っていると、反対に速度が遅くなることがあります。設定を見直すか、適切なソフトにすると改善することがあります。
その他、インストールした様々なソフトが原因で、回線やパソコンに負荷がかかっていることがあります。
インターネットの「通信速度を測定できるサイト」でチェックすると、今使っている回線のスピードがすぐにわかります。
ウイルス感染でよくある感染症状
以下のような症状があったら、ウイルス感染を疑ってみてください。
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- インターネット、パソコンの動きが遅い
- インターネットの接続がすぐに切れる
- アプリケーションの起動が遅い、起動しない
- 覚えのない広告ページやメッセージが勝手に表示される
- ブラウザで最初に表示するページ(ホームページ)が変わっている
- パソコンが勝手に再起動する
- ファイルが消えた、別の場所に移動している
- デスクトップなどに知らないファイルがある
- メールの送信フォルダに覚えのない送信履歴がある、送っていないメールが届いたと言われた
- 通信していないのにモデムなどネットワーク機器のランプが点滅する
- セキュリティソフトが動かなくなった
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こんな形で感染するウイルス
クリックで感染
インターネットを見ているときに、つぎのような画面が表示されクリックしてしまうと、ウイルス感染することがあります。
「ご使用のパソコンが危険な状態」「今すぐスキャンを開始してください」「リアルタイムスキャンが無効です」など、ユーザーの興味をひかせるような「不正広告(マルバタイジング)」を表示し、クリックさせることで感染させます。
ウェブサイトへのアクセスで感染
サイトを見たとき、そのサイトが改ざんされ、悪意あるプログラムが組み込まれていると感染します。アダルトサイトなどの怪しいサイトは、特に注意です。
正規のウイルス対策ソフトを導入しているとサイトを表示する前に警告がでることがありますので、もし警告がでたらそのサイトは開かないようにしましょう。
メールを開いて感染
添付ファイルを開いて感染するのが一般的ですが、メールを開いただけで感染することもあります。知らない送り先はもちろん、知っている送信先と偽って届くこともあるので注意が必要です。
特に「Outlook Express」を使っている人は注意です。これは多くの人が使っているので、狙われやすいです。
注意!こんなメールはウイルスメールかも
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- ファイルが添付されている
- 取引先や社内お知らせを装ったメール(会議、人事異動のおしらせなど)
- SNSからの通知を装ったメール
- 公的機関を装ったお知らせ(災害情報、セキュリティの注意喚起など)
- アンケート調査や取材申込のメールで、URLを開く必要のある内容
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ファイルのダウンロードで感染
よくわからないサイトから、すぐに何かをダウンロードしないようにしてください。無料アプリケーションのインストールにも注意です。
ExcelやWordのマクロ機能で感染
マイクロソフトOfficeのマクロ機能(記録した作業をクリック1回で実行する機能)を悪用したマクロ感染型ウイルスもあります。
1台のパソコンから・・・実際に起きたウイルス感染事故
- A社のケース
- 社員10名でパソコン10台、ファイルサーバー1台を使用
- 家庭用の個人向けセキュリティソフトを使用
1回目の感染
ある社員が長期休み明けにパソコンを使ったところ、動きが遅くなっていた。そこでウイルスチェックをかけると、ウイルスに感染していた。
原因は?
セキュリティソフトをアップデートせずに使っていたことだった。感染したパソコンのウイルス駆除を行った。この作業には1日かかってしまった。全社員へ、セキュリティソフトとOSを最新にアップデートするよう通知した。
2回目の感染
ある社員が仕事を家で行うため、作業のデータをUSBメモリへコピーした。家で作業後、会社のパソコンへUSBをさすとウイルスに感染した。
原因は?
この社員は会社から通知されたアップデートを多忙のため後回しにしてしまい、おこなっていなかった。それが原因で、最新バージョンでは駆除できたウイルスが侵入してしまった。
ウイルス感染がわかったのは、ネットワーク接続された他のパソコンでウイルス警報が出たためだった。
3回目の感染
さらにその後、ファイルサーバーの調子が悪くなり、ウイルス感染していることがわかった。
原因は?
このサーバーを使うのは社内ネットワークのみなので、セキュリティ対策は不要と考えていた点。社員のパソコンで使用の個人向けセキュリティソフトは、サーバーには使えなかった点。
インターネットに接続されていないサーバーだが、社員のパソコンからOSの脆弱性を狙ったウイルスが入り、社内ネットワークを通してサーバーに感染したことが原因だった。ウイルス駆除の方法がわからず業者へ依頼したので、費用もかかってしまった。
A社のセキュリティ管理・問題点は?
セキュリティソフトとOSアップデートを個人任せにしていた点
個人向けセキュリティソフトは更新日がそれぞれ違うので、対策漏れが起きやすいです。手間もかかります。
サーバーにセキュリティ対策は不要、と考えていた点
5台以上のパソコンとサーバーがある企業・団体には、「法人向けセキュリティソフト」が適しています。
ビジネス向け製品では複数台の設定をまとめてできるので、社内のセキュリティをすべて最新状態にし、監視できます。追加登録もかんたんです。
パソコンやシステムに詳しいスタッフがいない会社には特におすすめです。
ウイルス感染を防ぐ!対策方法
アップデートし、常に最新の状態にしておく
Windowsやセキュリティソフト、それぞれのアプリケーションなどを最新バージョンに更新します。セキュリティソフトは使用期限が切れていないかもチェックします。
USBメモリなど外部メディアの使用を禁止する
SDカードやCD、DVD、外付けハードディスク、デジカメなどのパソコンへの接続も危険です。つぎつぎと感染してしまう場合があります。業務を自宅に持ち帰ることにも、リスクがあります。
オフライン環境にも対策が必要
外部メディアを使う必要のある場合など、インターネットにつなげていない環境でもウイルスが侵入する可能性はあります。社内ネットワークを通じて次々と感染してしまうと、業務が大混乱することも。
セキュリティ診断で「穴」を見つけることが重要
自宅にてプライベートで使うパソコンは、重要な情報は少ないこともあり、対策は家庭用セキュリティソフトのみでも良いかもしれません。しかし、企業や団体のパソコンやサーバーとなると、別です。
重要な個人や情報取引先の情報をあつかう企業のパソコンやサーバーは、攻撃者から常に狙われていると考えてください。攻撃者はセキュリティの穴を常に探し、そこを狙っています。
そして狙われるのは、大企業だけではありません。中小企業も、ターゲットとして24時間標的にされています。さらに内部の人間による犯行や、悪意はなくても人為的ミスで情報が漏れることもあります。
いちどセキュリティ事故があると、運良く情報流出はなかったとしても、復旧に何日もかかることがあります。その間は、通常業務はストップしてしまいます。家で使う自分のパソコンと、同じように考えてはいけないのです。
セキュリティソフトのスキャンで「異常なし」でも、油断できない!
新型ウイルスや攻撃方法は、セキュリティソフトで検知できないことがあります。企業は、法人のための強固なセキュリティ対策をする必要があります。
あなたのウェブサイトやセキュリティに抜け穴はないか?プロの技術者がおこなうセキュリティ診断で、しっかりチェックすることが必要です。
パソコンのセキュリティは、身体の健康と同じです。ささいな症状からウイルス感染が発覚することもあります。いつもと違う現象が少しでもあったら、しっかり調べることが重要です。