今こそ大切!クラウド型電子契約サービスの選びどころ!

DX化が急速に進む中、さまざまなクラウドサービスが気になっている人も多いだろう。

ビジネスに欠かせない契約についても、デジタル上で交わした契約をクラウド上で保管するサービスが注目を浴びており、またそのサービス事業者もどんどん増えている。

いくつも目にするようになったこれらのサービスに違いはないのだろうか。違いがあるとすれば、何をポイントに利用サービスを選択すればよいのか。

今回は、電子契約を利用するためのリテラシー向上につながるお話を、クラウド型電子契約サービスGreat Sign(グレートサイン)の運営会社、株式会社TREASURY代表取締役の山下誠路氏と、公認会計士・税理士である江野澤藤利氏(同社CFO)、さらには弁護士・社会保険労務士である小路雄一氏(同社顧問)に伺った。

〈インタビュー・構成/髙山伸夫(高山広告編集所)〉

今回のお話のポイント
(1)背景としての電子署名法、電子帳簿保存法の概略を知る
(2)電子契約を成立させる大切な4つのポイント
(3)電子契約書を交わしたあとの機能にも注目!
(4)電子契約の広がる今後の可能性




(1)背景としての電子署名法、電子帳簿保存法の概略を知る

「電子契約サービスは、電子署名法と電子帳簿保存法に準拠して成立している」

髙山
初めに、クラウド型電子契約サービスを成立させている法律について概略を教えていただけますか。
山下
10年ほど前から、BtoBの世界では電子契約が存在していました。ですが、クラウド型の電子契約サービスがはじめてリリースされたのは2015年末のことですから、そこからはまだ6年ほどしか経っていないということになります。

これらのサービスの根拠となっているのが、電子署名法と電子帳簿保存法です。電子署名法は2001年に、電子帳簿保存法は1998年に施行された法律です。

つまり、これらの法律は、クラウド型電子契約サービスを前提としていたわけではなく、サービスのローンチによって明らかになった課題にその都度対応しているというのが現状かと思います。

山下誠路

山下誠路(やました せいじ)

~平成26年 東証一部の常務取締役、商品本部長 システム本部長。~平成27年 都内法律事務所にて勤務、会計責任者 WEB広告責任者。平成28年~ 株式会社TREASURY 設立、代表取締役。

髙山
それでは、まず、電子署名法とは、どんな法律なのか。かんたんにお話しいただけますか。
小路
一般的な書面による契約ですと、民事訴訟法228条4項に「私文書は、・・・署名または押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」という規定があります。

電子署名法では特に2条も重要なのですが、民事訴訟法228条4項との対比という意味では3条が重要で、そこには、「電磁的記録であって情報を表すために作成されたものは・・・本人による電子署名・・・が行われているときは、真正に成立したものと推定する。」という規定があります。

書面では署名や押印があったときに真正に成立したものと推定するわけですが、電子契約の場合は、電磁的記録であって書面を前提とした民事訴訟法228条では対応できないので、電子契約に対応する法律として電子署名法が重要となってきます。

小路雄一

小路雄一(しょうじ ゆういち)

平成30年1月 弁護士登録(東京弁護士会)。平成30年1月~ 令和2年10月 都内法律事務所勤務。令和2年11月~ 小路法律事務所 開設。平成30年4月~ 民事介入暴力対策特別委員会所属。令和2年12月~ 小路社会保険労務士事務所 開設。令和3年4月~ NPO法人高卒支援会 理事。

髙山
次に、電子帳簿保存法はどのような法律でしょうか。
江野澤
これまで税務に関わる帳簿書類は、書面で保存しなければなりませんでした。パソコンが広く使われるようになっても、税務調査に際しては、いったんプリントアウトして提示なければならなかったわけです。それを、電子データで保存、提示することを定めたのが電子帳簿保存法になります。

電子署名法は、電子上の契約の有効性についての法律で、電子帳簿保存法は、契約締結後の会計や税務の場面での法律です。別々の法律ではありますが、流れとしては、契約が成立することでビジネスが発生し、その後の会計とか税務処理まできちんと対応できてないといけません。そうした観点でシステム全体を開発し、電子契約のしくみをつくっているサービスはそんなに多くないかもしれません。

江野澤藤利

江野澤藤利(えのさわ ふじとし)

平成16年~平成22年 公認会計士登録。あずさ監査法人、上場企業(製造業、通信業等)の監査、IT監査に従事。平成20年~ 税理士登録、開業。千葉県税理士会 業務対策部 情報化対策室(現任)、千葉県税理士会 千葉西支部 総務部長(現任)。平成20年~ 共同生活援助、就労支援事業所 運営。令和3年~ 株式会社TREASURY。

(2)電子契約を成立させる大切な4つのポイント

ただ契約書をスキャンすればいいということではない。大切な4つのポイント

髙山
電子署名法、電子帳簿保存法。これらの法律に則って運用されているクラウド型電子契約サービスですが、理解しておかなければいけないポイントを教えて下さい。
山下
電子契約で重要なのは、まず、疑うことなく当事者同士が契約しているという事実を担保することです。そのために必要なのが電子署名です。

現在、日本においてAATL(Adobe社の製品で信頼される認証局のリスト)に対応の電子署名を発行している認証局は、サイバートラスト株式会社、GMOグローバルサイン株式会社、セコムトラストシステムズ株式会社の3社の民間認証局と政府認証基盤(GPKI)、地方公共団体組織認証基盤(LGPKI)の2つの行政機関側の認証局のみです。

これら3社の民間認証局が発行する電子署名は、国際的なWeb Trust(米国公認会計士協会とカナダ勅許会計士協会によって、認証局の信頼性や電子商取引の安全性などに関する内部統制について策定された国際基準)の基準を満たしており、安心・安全に利用できます。

クラウド型電子契約サービス業者を選ぶ際には、この3社が発行するいずれかの電子署名を使っているサービスを選ぶことが大切です。

<1>この電子署名はPDFデータに付与されます。なので、電子契約に用いられるデータは必ずPDFでなければなりません。WordやExcelの書類では、有効性を担保できないというわけです。WordやExcelのデータをPDF形式で書き出す、あるいはスキャンしてPDF化すればいいのかというと、それは単なるPDF化であって、電子署名が付与されていなければ、デジタルデータであっても効力はありません。

<2>次に重要なポイントは、電子署名とタイムスタンプの両方がPDFに付与されていることです。これはAdobe社のAcrobat ReaderでPDFを開いたときに、署名パネルで確認できるもので、先ほど説明したAATL対応の電子署名があること、そしていつかわされた契約なのか、その日時が特定されるタイムスタンプが付与されていなければなりません。それによって、このPDFデータが改ざんされていないことを証明します。そのため書面のような印影は必要ありません。

<3>その上で、3つめに確認すべきことは、電子署名がすべて有効になっているかどうかです。「署名済みであり、すべての署名が有効です」という安全なレベルから「検証が必要な署名があります」といった問題のある署名まで、署名は5つの段階で評価されます。

<4>最後に気をつけなければいけないのは、見落とされがちなのですが、契約書面の文末の表記です。ほとんどの場合、「記名押印して1部ずつ保管する」といった趣旨の文言で締められていますが、これをそのままPDFにしたものだと問題があります。そこに印紙税法が関わってきます。現在の印紙税法では、紙の原本のみを対象として、課税文書には印紙を貼ることになっています。

電子契約であっても、「記名押印して1部ずつ保管する」と書いてあると、税務調査の際に、紙の原本が他にあることが想定されるので確認を求められることや、控えとしてプリントアウトした紙の契約書が原本とみなされ、印紙(例:継続的取引の基本となる契約書の場合4,000円)を貼らなければならないということが懸念されます。

髙山
そうすると、電子契約の場合、どのような文言にすればよいのですか。
山下
「甲と乙は本契約の成立の証として本電子契約書ファイルを作成し電子署名を行う。なお本契約書においては電子データである本契約書ファイルが原本であって、それを印刷した書面はその写しとします。」といった文言の表記が必要になります。

(3)電子契約書を交わしたあとの機能にも注目!

電子契約サービスの役割は、契約を取り交わすことだけ?

髙山
クラウド型電子契約サービスの契約を成立させるための仕組みについてはわかりました。他にも大事な役割がありそうですね。
山下
はい。電子データである契約書を保管・管理する大切な機能があります。もう一つは、承認権限の問題です。
髙山
それではまず、契約書の保管・管理について教えて下さい。
山下
クラウド型電子契約サービスでは、電子契約書はクラウド上に保管されます。もちろんダウンロードもできますが、いつでもアクセスできるクラウド上にある利便性は疑う余地はありません。

紙の場合では、原本管理のスペースとそれを取り扱う人件費がかかります。災害のリスクも考えなければいけないでしょう。もちろんクラウドストレージを保持するデータセンターにもリスクはあります。

しかし、現状、電子契約に限らず存在するクラウドソリューションの多くで、安全性が保たれていることを見れば、ローカルに管理するよりは安全だと言えるのではないでしょうか。弊社では、万が一に備えてクラウドとデータセンターの両方でデータを保管しております。

更に気を付けていただきたいこととして、電子署名、タイムスタンプを検証できる期間には期限があるということです。電子契約サービスを利用して契約を交わし、クラウドに預けていれば安心。そう思っていると、電子署名、タイムスタンプの検証可能期間の期限切れがやってくるかもしれません。

髙山
検証可能期間に期限があることは知りませんでした。
山下
一般的に、10年ほどでこれらは失効し、署名が検証できなくなります。

そこで、そのサービスがLTV(長期検証)を導入しているかどうかが重要なポイントになります。LTVが導入されていれば、10年は検証可能になります。ただサービスによって検証可能期間も異なりますので確認が必要です。

弊社のGreat Signで締結し、保管していただいている場合はタイムスタンプが自動的に更新され、10年を超える契約でも電子契約の検証が可能となります。

髙山
続いて、承認権限とはどのような機能でしょうか。
山下
そのサービスがワークフローに対応できるかどうかという点ですね。係長の承認、課長の承認、決裁者の承認。そういったフローに電子契約が対応できるか。できたとしてもそれは別途オプション料金が必要なのか。そのあたりがサービスを見極める一つのポイントにもなってくると思います。

それから、承認権限とは別の話ですが、これまでの契約書面のインポートがどのようにできるか。紙の契約書と電子契約書は、これから数年間共存するので、紙の契約書を取り込むことも必要になってきます。その費用がどうかかるのかということもチェックしておきたいところです。

(4)電子契約の広がる今後の可能性

法改正とクラウド型電子契約サービス

髙山
電子契約を取り巻く環境として、DX化への流れ、それを加速させるコロナ禍における新しい働き方へのニーズ、そして更なる法改正が待っていると聞きます。法改正の部分について、ご説明ください。
山下
まず、2021年5月19日に交付された「デジタル社会形成整備法」によって、今後あらゆる分野の法律で、書面から電子化への改正が予定されているということが前提としてあります。

その中で、2022年1月には、電子帳簿保存法の改正が予定されています。この改正によって、要件の緩和がより一層行われ、より多くの企業にとって電子データによる帳簿保存が容易になります。

ここで注意しなければいけないのは、電子取引を行ったデータは、電子保存しなければいけなくなるという点です。プリントアウトして紙で保存するということができなくなる。メールで送ってもらった請求書PDF、スキャンした領収書なども電子保存しなければいけません。

髙山
電子化に対する体制を早急に準備することが必要ですね。
山下
2023年10月からは消費税のインボイス制度が始まります。実は、このインボイス制度の実施に先立って、あまりみなさん認識されていないかもしれませんが、2021年10月1日から「適格請求書発行事業者登録制度」がスタートします。

インボイス制度の下では、「適格請求書発行事業者」が交付する「適格請求書」(インボイス)等の保存が仕入税額控除の要件となります。このインボイスも電子取引化され、タイムスタンプなどで改ざんされていないことを担保する必要がありますし、紙に落として保存することは認められなくなります。

髙山
そうなると、電子取引全体をクラウド型電子契約サービスで行うのが、企業にとっても安心・安全ですね。
山下
電子契約サービス自体もアップデートし続けなければなりません。2021年5月には、不動産関係のDX化が国会で閣議決定されました。つまり、不動産の移転、登記に関わる契約まわりが電子化されるということです。

このように、次々と電子契約が世の中に浸透していくでしょう。社内契約、請求書や納品書、見積書といった取引に係る書類、領収書なども電子データとして保存するようになります。

髙山
クラウド型電子契約サービスを、きちんと使いこなせるリテラシーをもつこと。それが、これからのビジネスに必要なスキルの一つになっていきそうですね。
山下
Great Signは、すべてを備え、そして未来を見通している
髙山
さて、最後に御社が運営するGreat Signならではの、アピールポイントを教えて下さい。
山下
Great Signはこれまでお話してきたような、電子契約に必要なすべての機能、安全性を備えています。多くの機能が基本機能として組み込まれ、追加料金なく利用いただけます。アカウント数や契約書保存容量も無制限です。
山下
契約書の送受信でも課金するサービスがある中で、Great Signは、月額基本料金の他には、契約締結時に発生する料金のみです。

また、私たちのサービスは、法的文書に接することが多い士業の方々に多くご利用いただいています。それは、Great Signの安全性の評価が表れた一つの側面だと思っています。その背景には、電子署名法の第一人者で弁護士の宮内宏先生と、電子帳簿保存法の第一人者で税理士の袖山喜久造先生のアドバイスに基き、安心・安全なサービスをご提供していることが大きな影響を与えていると実感しております。

私たちは、今後の電子契約を政府と議論されているお二人の先生とともに、安全な電子契約を日本で普及させるという大きなビジョンを描いています。

髙山
なるほど。今回のお話で、クラウド型の電子契約サービスというフロントエンドだけでなく、法律や、仕組みを成立させているテクノロジー、そして今後の展開、さまざまなサービスなど、実によくわかりました。そして、Great Signが目指す電子契約のビジョンもお伺いできたと思います。ありがとうございました。
髙山伸夫

インタビュー/構成

髙山 伸夫

高山広告編集所

本田技研工業四輪PR誌編集長などを経て、各種PR誌等の編集長を歴任。1999年、会社設立。フリーランス時代からさまざまなジャンルのインタビューを35年以上にわたって重ね、経済誌、オウンドメディアなどにコンテンツを提供する傍ら、ブックライターの仕事も請け負う。




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