パソコンやスマートフォンを使っていると、コンピュータウイルスに感染する危険は常にあります。
コンピュータウイルスに感染すると個人情報漏えいや攻撃の踏み台に利用される可能性も。
ここでは、コンピュータウイルスとは何か、対処するための基礎知識を解説します。
コンピュータウイルスとは?
コンピュータウイルスとは、「第三者のプログラムやデータべースに対して意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラム」のことです。
パソコンやスマートフォンに感染して不正を働く悪質なプログラムの総称として捉えている人が多いですが、本来は悪質なプログラムのひとつです。厳密に言うとマルウェアの一種であり、下記図のように「ウイルス」「トロイの木馬」「ワーム」の3つに分類されます。

コンピュータウイルスの種類
コンピュータウイルスはおもに以下の5種類に分類することができます。
- ファイル感染型
- マクロ感染型
- ワーム型
- トロイの木馬型
- 複合感染型
上記の概要や特徴については以下の記事で詳しく解説しています。
コンピュータウイルスの感染経路
コンピュータウイルスの感染経路はある程度決まっています。
よくあるケースはを以下の5つです。
- Webサイトの閲覧
- メールからの感染
- ソフトのインストール
- 同一ネットワークからの感染
- リムーバブルメディアの接続
上記の概要や特徴については以下の記事で詳しく解説しています。
コンピュータウイルス感染による被害
コンピュータウイルスに感染すると、つぎのような被害を受けるおそれがあります。
情報漏えい・不正ログイン
登録しているサイトのログインID・パスワードやクレジットカード、オンラインバンキングの情報など、パソコンの内部に保存された重要情報を盗み、悪意ある人物に送信してしまう可能性があります。
これにより、各種サイトへの不正ログインや不正操作、クレジットカードの悪用といったさらなる被害にもつながりかねません。
盗聴・盗撮
トロイの木馬ウイルスなどは、パソコンに内蔵されたマイクやカメラを乗っ取り、盗聴や盗撮をする場合もあります。そのデータを使って脅迫される可能性も考えられます。
システムの破壊
なかには、感染するとパソコンのシステムを破壊して操作不能にする、再起動できなくさせるなどの悪質なウイルスもあります。
金銭の要求
ランサムウェアと呼ばれるコンピュータウイルスは、感染するとパソコンに保存されたファイルを暗号化して開けなくさせ、パソコン自体を操作不能にしてしまいます。
ランサムウェアの種類によってはセキュリティツールも効きません。「パソコンを元に戻すにはビットコインなどで金銭を支払うように」といった警告が表示されますが、支払っても元に戻る保証はありません。
遠隔操作によるサイバー攻撃の踏み台
ウイルスの種類によっては、感染すると第三者の思いのままに遠隔操作され、サイバー攻撃の踏み台にさせられてしまうこともあります。
具体的には、メールや掲示板・SNSへウイルス感染するサイトのURLを貼り付けて送信する、DDoS攻撃など他者へのサイバー攻撃の攻撃元にされる、などが考えられます。
バックドアの設置
バックドアと呼ばれる裏口を設置し、またいつでもコンピュータ内に不正侵入できるようにしておいたり、さらにほかのウイルスに感染させたりするものもあります。
コンピュータウイルスに感染した場合の対処方法
では、このようなコンピュータウイルスの感染が疑わしいときはどうすればよいのか、対処方法をご紹介します。
セキュリティソフトで除去をおこなう
感染に気づいたらまずはネットワークから切り離し、パソコンに保存されたすべてのファイルにセキュリティソフトでスキャンをおこない、そのまま「除去」「駆除」を実行します。
多くの場合、セキュリティソフトで駆除することができ、駆除完了などと表示されますが、ウイルスの種類によっては検出や駆除が困難な場合もあります。その場合は以下の方法を試してみてください。
リカバリー・再インストール
セキュリティソフトで駆除できないようであれば、パソコンのリカバリー・再インストールをすると、ウイルスを除去できる場合があります。
このとき、データをバックアップしてからおこないますが、感染しているデータはバックアップしないでください。データを復旧した際に再度感染してしまうためです。
ふだんから定期的にバックアップをとっておくと、このような場合にデータを失わずに済みます。
セキュリティ会社に依頼
セキュリティソフトで駆除できず、さらにリカバリーや再インストールなどがよくわからない、という場合はセキュリティ会社に依頼するという方法もあります。
セキュリティサービスを提供している企業のほか、パソコン修理業者でもウイルス駆除サービスをおこなっているところがあるので、駆除できそうな業者を調べて問い合わせてみてください。
コンピュータウイルスに感染しないための対策
コンピュータウイルスに感染すると、パソコンやスマートフォンに保存された重要な情報が抜き取られ、悪用されるなどのほかに、インターネットを介してウイルスを伝染させるなど他人まで巻き込んでしまいます。
そのような被害に遭わないために以下のような対策をとっておくことが大切です。
- セキュリティソフトを導入し最新の状態にしておく
- OSやソフトウェアを最新の状態にしておく
- サイトの閲覧やメールの取り扱いに注意する
- メールの添付ファイルやソフトはまずスキャンをおこなう
- 信頼できないリムーバブルメディアを使用しない
- 最新のウイルス情報に注意する
- 定期的にバックアップを取っておく
上記の概要や特徴については以下の記事で詳しく解説しています。